ウツ10年超え日記

うつを発症して10年を超えました。 「緋寒 桜子(ひかん さくらこ)」と申します。 2019年3月30日という、中途半端な日に、ふと、自分の「ウツ体験」をブログに書いてみようと思い立ちました。

2008年10月20日(月) 職場の上司に手紙を出す

C事務長様

 

職場が大変な困難をむかえているときに長くお休みをいただき、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません。

そのうえさらに身勝手なことで申し訳ないのですが、お休みの期間をさらに2か月延長して、12月いっぱいお休みさせていただくことをお許しくださいますよう、お願い申し上げます。

本来、このようなお願いごとは、一方的に手紙でお伝えするようなことがらでなく、きちんとお目にかかるなり、せめてお電話するなりして、ご説明すべきであると思うのですが、どうしてもそのような気力がわかず、また自分の状況を口でうまくせつめいできるか自信がありませんので、手紙にてお願いと説明をすることとさせていただく次第です。

 

自分の状況ですが、10/3からお休みに入ったあとしばらくの日々は、じっとしていると暗い考えがどんどんわいてきて、頭の中がぐるぐるし、叫び出しそうに苦しく、とにかくじっとしていられず、家の中をかたづけたり、外をぐるぐると歩き回ったりしていました。

2週間目くらいから薬が効いてきたのかおちついてきて、身体も頭も弛緩し、一日中ぼーっとうつらうつら休息できるようになり、少し楽になってきました。

ところが15日過ぎぐらいから、職場への復帰のことを意識し始めたとたん、また強い不安におそわれるようになり、夜も良く眠れない状態に戻ってしまいました。

このような状態を主治医に説明し相談したところ、「職場復帰を意識することが不安を呼んで回復のさまたげになっているので、2カ月ぐらいの長めの休みにして、戻ることをあまり意識しないで治療に専念した方がよい」との診断でした。

ただ、自分としては、後述しますように、今の自分の状況では年明けの1月からちゃんと仕事に戻れるとは想像もできないので、この際、半年とか1年とかの長期でお休みした方がよいのではと思い、主治医に併せてその点も相談したのですが、それに対する主治医の助言としては、「あまり先のことは今は考えない方がよい。とりあえず、まずは年内お休みすることとして、その先のことはまたその時に考えるようにしなさい」とのことでした。

しがたいまして、今回とりあえず、あと2か月お休みを延長して、12月いっぱいお休みさせてください。代休がまだ残っているはずなので、代休消化の形で処理いただければ幸いです。

また給与明細や年末調整などの事務的な連絡は、お手数をおかけしますが自宅に直接郵送していただければ幸いです。

メールはほとんど見ていません。緊急の場合はFAXでご連絡ください(体調によってはすぐお返事できないかもしれませんが)。

 

現在の療養状況ですが、意欲低下を改善する薬は、規定量の3/4量まで順調に増やせていますが、睡眠薬の量が、当初の1錠→2.5~3錠に増え、抗不安薬も朝、晩服用しています。特に抗不安薬は、最初は不安を感じたときだけ効き目の軽いものを飲んでいたのですが、効きが悪いため少し強めの薬に変えてもらい、量も増やして常時服用しているような状態です。

生活面では、日常の家事や近所への買い物や散歩程度は問題なく行えています。しかし、テレビを見たり、新聞を読んだりすることが苦痛で、ほとんどできません。大きな音や早い動き、派手な色彩などを見たり聞いたりするのが辛いです。もちろん、複雑なことは考えられず、また家族などとの会話も長くは続けられず、特に話を聞く方がだめです。また少し動くと疲れて横になっている状況です。人混みなども苦痛で、電車にもほとんど乗れず、あの混んだ山手線に乗って職場まで通うなどは、いまはとても考えられない状態です。

 

思えば、KN専務がひどい形で追い出されるようにしてお辞めになってしまったあと、何年間かのごたごたを通じ、「自分たちの職場は自分たちで守らなければ」と思うようになり、自ら総務部長の任に手を挙げ、5年間自分なりに精一杯がんばってきました。

自分なりの運営改善策や財政改善策など、できる限りとりくんできたつもりですが、振り返っていま、5年前と比べて、自分があの時に思いえがいていたように、職場の改善は進んだのかと考えてみると、頼みにしていた後輩が次々と辞めてしまった最近の現状が、自分への通知表としてつきつけられているように感じられ、むなしさと無力感でいっぱいです。

私が無我夢中でつっ走ってきたせいで、たくさんの人を傷つけ、疲へいさせて病人まで出してしまったのではないか。

5年間、自分の能力以上に背のびに背のびをして、強がりながらやってきたけれど、もうゴムが伸び切って、ぷつんと切れてしまった。心が折れてしまいました。

たとえ1月から職場復帰ができたとしても、もう総務部長の任を果たせる自信は全くありませんので、先日もお願いしたとおり、部長は解任していただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

 

今はまだ職場復帰のことは何も考えられない状況ですが、いずれ元気を取り戻せたら、また自分なりに職場に貢献できればと願っております。

この手紙は主にC事務長にあてて書いたものですが、私の状況を説明するうえで必要でしたら、他の役員の皆さまや、総務部の方々などにお見せいただいて構いません。

 

最後に本当に、本当にご迷惑をおかけいたしますが、いましばらくわがままを聞き入れていただきますよう切にお願い申し上げます。

 

2008年10月20日

緋寒 桜子

 

 

*1

*2

*1:ともかく10月中に連絡しなければと焦りが募り、まる一日かけて、上司のC事務長あてに手紙を書いた。いろいろ思い出すにつれ、涙も出たが、それ以上に書くだけでかなり緊張し、汗がダラダラ出た。投函したとたん疲れ果て、発熱し、何日か寝込んでしまった

*2:文中に「代休消化」とあるのは、入社20年ちかくの間に、休日出勤などの振り替え休暇がとれないまま、何年も繰り越していた代休が60日間分くらい溜まっていたもの。そのほかに、未消化の法定有給休暇もまるまる40日残っていた