ウツ10年超え日記

うつを発症して10年を超えました。 「緋寒 桜子(ひかん さくらこ)」と申します。 2019年3月30日という、中途半端な日に、ふと、自分の「ウツ体験」をブログに書いてみようと思い立ちました。

2009年2月19日(木)会社を休んで5カ月近くたった。 5カ月なんて、あっというまだった

会社を休んで5カ月近くたった。

5カ月なんて、あっというまだった。

 

1月から、「在宅勤務」ということにしてもらって、古い雑誌の目次のテキスト入力をする、という作業をしている。1日30分くらいで、半年分ぐらいずつやって、週に2~3日作業している。1月の終わりから始めて、今日で一応5年分終わった。

 

薬は、ジェイゾロフト4錠、マイスリー1錠、レンドルミン2錠、ソラナックス1~2錠を毎日飲んでいる。

1~2日おきに外出して、図書館や公園まで2~4kmくらい歩いたり、電車に乗る練習をしたりしている。

病院の先生と、夫、ママ、パパ、お姉ちゃん、Zさんとは会って話しをすることができる。それ以外の人には、会ったりする気力がわかないが、職場の人ではなく友達なら、会えそうな気がしてきている。

 

職場の人には会いたくない。

職場がいまどうなっているのか、全然知りたくない。聞くのが怖い。

 

でもIさんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。何もIさんには恨みもないのに。たぶん一番迷惑をかけてしまっているだろう。

ほんとうにごめん。

手紙でも書こうかな。まだ会いたくはないけど。

 

Yさんからは週1くらいでメールが来るけど、ほとんど読まないし、返事も最初の1回返しただけ。いろいろ思い出すと辛い。

 

Mさんのことはまだ許せない。考えないようにしている。

Eさん、Jさんのことも考えないようにしている。

 

Mさん、Eさん、Jさんの3人のことを思うと、やっぱりむなしくなってしまう。

別にこの3人のためだけに頑張ったわけじゃないけど、やっぱり、この3人は私にとって特別だった。他の人が辞めたときは、がっかりはしたけど、そこまでショックではなかった。でもこの3人は、「私が手塩にかけた」という気持ちがあった。新入社員の時から面倒を見た人たちだし、Mさんもほぼそれに近い。その3人が3人とも、100%で一時に辞めちゃったことで、ほんとうにがっくり来てしまった。

このことは、今も思うと、涙がにじんでしまう。

 

9~10月ころのことを書いたノートとかを見て思い出すと、涙があふれて止まらない。本当に辛く、苦しかった。

自分が憐れ。

今も涙があふれる。

 

 

一番ひどいときは、

●すべてが不安。どこかで誰かが死んだとか、の新聞記事ですら、不安で読めなかった。

●本(文字)が読めない。(あんなに活字が好きだったのに)

●音を聞くのが辛い(TV、音楽すべて、商店街の呼び込み、雑踏のざわめき、人の話し声などすべて)

●何も希望や楽しみがない。今までは楽しみにしていたTV番組や、マンガも見たくない。

●ぼ~っとしていられない。暗い考えが湧いてきて、「うーっ」って叫び出しそうになる。ひたすら、皿洗いとか植木鉢の土をふるうとか、単純作業をしている。同じ家事でも、掃除とか料理などの、頭を使うことがやれない。

●ベランダに座って、ひたすら雲が流れていくのを眺めたり、近所をぐるぐると歩き回ったり、しかできない。

●ドキドキしてくるので、横たわってゆっくり休むことができない。

●食欲がない。何も食べたくない。無理して口の中に突っ込んで無理やり飲み込む。

●口に入れたものを咀嚼するのがしんどい。あごがだるい。

●苦しい。辛い。 →悲しいとか憂うつとかいうのではなく、単に苦しくて辛い。脳の中で何かが暴れている感じ。

●電車に乗るのが怖い。窓の外を景色が流れていくのが目に入ることが苦しい。

自死してしまう人の気持ちがわかる気がした。「死にたい」というよりも、「生きていてもしょうがない」という思いにとらわれる。絶望の縁に近づいて、中を覗き込んでしまった感じ。

 

ジェイゾロフトという薬は、「セロトニン再取り込み阻害薬」というもので、脳の中にある神経伝達物質の一つであるセロトニンを吸収する働きを抑え(阻害し)、結果として脳の中のセロトニンの量を一定に保つもの、だそうだ。

いろいろ本や、ネットで調べてみると、このセロトニンという物質は「意欲」に関係している。脳の中のセロトニンが減ると、意欲が低下するということらしい。

これはまだ仮説なのかもしれないが、自分の実体験としてはとても腑に落ちるし、実感としてもわかりやすく納得できた。

 

人間は普段、まったく意識せずに、お腹がすいたらご飯を食べる、トイレに行く、眠くなったら寝るなどの行動をとっているけれど、これらは自然にやっていることではなく、脳によってコントロールされた行動で、セロトニンなどの神経伝達物質の働きで行えていることなのだそうだ。だからセロトニンが減ってしまうと、食欲がない、眠れないなどの症状出てきてしまう。

「意欲がわかない」っていうのは、精神論のような感じもするけど、もっと動物的な、生き延びるための本能的行動をとることが、うまくいかなくなるってことなのだろう。

根性とか気合で何とかなるものではない。

つまり、ウツっていうのは、脳の中のセロトニンなどの分泌の変調により、臓器である脳がうまく働かないことで起こるのだっていうこと。

私にはこの説明はすごく納得できたのだけど、その後いろんな人に話しても、今いち納得してもらえない気がする。

例えば糖尿病なら、すい臓の働きが悪くなってインシュリンが正常に分泌できなくなる病気。

ウツも、それと同じようなことが脳で起きているということなのじゃないかな、と思うのだけど。

 

(続く)