ウツ10年超え日記

うつを発症して10年を超えました。 「緋寒 桜子(ひかん さくらこ)」と申します。 2019年3月30日という、中途半端な日に、ふと、自分の「ウツ体験」をブログに書いてみようと思い立ちました。

2011年3月11日(金) 東日本大震災

今日は病院の日。

 

病院が終わったあと、近所の図書館で本を探してのんびりしていたら、ぐらぐら~と揺れを感じた。

 

すぐに「地震」だと思い、本棚から離れて、受付カウンターのあたりに移動する。

地震のときは、慌てて屋外に飛び出さない方がいいと聞いていたし、この図書館が入っているビルは比較的新しいはずなので、屋内の方が安全だろう。

 

だんだん揺れがかなり大きくなってきて、立っているのが難しいくらいになった。あちこちで悲鳴のような声があがる。

図書館のスタッフの方が「落ち着いてください!」「本棚から離れてください!」と叫ぶ。

私がさっきまで見ていた本棚からも、本がバサバサと落ちてくる。わお。

でも棚は固定してあるらしく、倒れたりはしなさそうだった。

 

ラジオを聞いていたらしい男性が、「東北地方で震度7地震だって」と大声で教えてくれる。

 

すごく長時間に感じたが、やっと揺れが収まる。みな不安そう。

私もこの後どうしたらいいのかわからず、きょろきょろしてしまう。

ビルの警備員さんがやってきて、図書館のスタッフの人と被害状況などを確認しあっている。ビルはエレベータが止まっただけ、図書館は本が少し落ちてきた程度、などと言い合っている。

 

しばらく茫然としていたが、急に自宅のウサギのことが心配になり、とにかく家に帰ることにする。

 

帰り道、何度か余震がある。外を歩いていてもはっきり感じるぐらいだから、かなり揺れていたのだろう。

そのたびに、あちこちのお店から人が飛び出してきて不安そうにしている。

中に、美容院のお客さんで、頭にいっぱい巻いたまま、カバーも被ったままの人がいて、普通なら笑えるところだけど、それどころではなかった。

家までは歩いて15分くらいの短距離なのだが、すごく遠く感じた。ビルの看板とか落ちてこないかと、頭上を気にしながら歩く。

 

マンションに着くと、自動ドアは正常だったが、エレベータが止まっていた。しかたなく、歩いて上がる。

 

家に帰りついて、真っ先にウサギを見に行く。

ウサギのケージの上に、干し草の袋やら、ペットシーツやら予備のトイレやらが落ちており、中でウサギが不安そうな顔をしている。でも扉を開けてあげると、何事もなかったかのように元気に出てきたので、ほっとする。

ケージの上に落ちてきたものは、いずれも軽いもので、重たいものは別のところにおいてあった。普段から、地震があっても大丈夫なように備えていたのが良かった。

 

ただ、リビングの棚からプリンタファックスが落っこちていて驚いた。しかもどこも壊れていなかった。たぶん揺れでずり落ちたのだろう。

それ以外は、ほとんど異常がなくて、写真立てが倒れていた程度。テレビも台所も本棚も無事だった。

 

コートも着たまま、落ち着かない気持ちでテレビをつける。東北地方で強い地震があって、津波警報が出ているということしかわからない。

時々余震がくるので、ドアが開けられなくなるのではと怖くなり、チェーンロックをかけて玄関を少し開けておく。寒い。

 

こういうときは電話はかけちゃいけないと聞いていたので、とりあえず、ダンナ、パパ、お姉ちゃん、Zさんににショートメールを出す。誰からも返事は来ない。

 

テレビを見ていても何もわからないので、とりあえずお茶でも飲んで落ち着こうとして、ガスが付かないことに気が付き慌てる。

床暖房もつかない、給湯機もつかない。

 

まあ、とりあえずカセットコンロを備えてあるからいいか、と考える。電気は問題ないので、電子レンジでお湯を沸かしてお茶を飲む。

それから思いついて、湯船に水をはる。最初にしなければならなかった。マンションだから、電気が止まったら水も使えなくなる。

 

食料もけっこう備蓄してあるし、水も確保した。ほかに何をすればいいのだろう。落ち着かない気持ちで、食器洗いや洗濯ものの片づけなどをする。

万一避難することになった時に備えて、非常用品リストを見直したりする(普段から用意してあるもの)。

 

そうこうしているうちに、暗くなってくる。

テレビでは津波の話ばかり。怖いのでNHKにして音量を一番低くしておく。

玄関のドアを開けたり、閉めたり。コートを脱いだり、着たり。

誰からも連絡ないし、と不安がMAXになったところで、ようやくダンナから電話が入る。無事で、会社の人の車に乗せてもらって帰るので、遅くなるとのこと。様子がよくわからないまま短時間で通話は切れたが、とにかく安堵する。

 

ガスが使えないので、電子レンジでチンしたご飯と納豆、レンジであっためたお湯でインスタント味噌汁のみの夕食。

 

ウサギは、まったく気にしてなくて、いつも通り、ご飯もりもり、ウ〇チもモリモリり。ウサギのブラッシングをしているうちに私も落ち着いてくる。

 

夜中近くになって、やっとダンナが帰ってくる。

車に乗せてもらったはいいが、ものすごい大渋滞だったとのこと。疲れ切っている。

とにかく夕飯を食べさせて、ガスの件を話して、早めに寝る。