2011年3月11日(金) 東日本大震災
今日は病院の日。
病院が終わったあと、近所の図書館で本を探してのんびりしていたら、ぐらぐら~と揺れを感じた。
すぐに「地震」だと思い、本棚から離れて、受付カウンターのあたりに移動する。
地震のときは、慌てて屋外に飛び出さない方がいいと聞いていたし、この図書館が入っているビルは比較的新しいはずなので、屋内の方が安全だろう。
だんだん揺れがかなり大きくなってきて、立っているのが難しいくらいになった。あちこちで悲鳴のような声があがる。
図書館のスタッフの方が「落ち着いてください!」「本棚から離れてください!」と叫ぶ。
私がさっきまで見ていた本棚からも、本がバサバサと落ちてくる。わお。
でも棚は固定してあるらしく、倒れたりはしなさそうだった。
ラジオを聞いていたらしい男性が、「東北地方で震度7の地震だって」と大声で教えてくれる。
すごく長時間に感じたが、やっと揺れが収まる。みな不安そう。
私もこの後どうしたらいいのかわからず、きょろきょろしてしまう。
ビルの警備員さんがやってきて、図書館のスタッフの人と被害状況などを確認しあっている。ビルはエレベータが止まっただけ、図書館は本が少し落ちてきた程度、などと言い合っている。
しばらく茫然としていたが、急に自宅のウサギのことが心配になり、とにかく家に帰ることにする。
帰り道、何度か余震がある。外を歩いていてもはっきり感じるぐらいだから、かなり揺れていたのだろう。
そのたびに、あちこちのお店から人が飛び出してきて不安そうにしている。
中に、美容院のお客さんで、頭にいっぱい巻いたまま、カバーも被ったままの人がいて、普通なら笑えるところだけど、それどころではなかった。
家までは歩いて15分くらいの短距離なのだが、すごく遠く感じた。ビルの看板とか落ちてこないかと、頭上を気にしながら歩く。
マンションに着くと、自動ドアは正常だったが、エレベータが止まっていた。しかたなく、歩いて上がる。
家に帰りついて、真っ先にウサギを見に行く。
ウサギのケージの上に、干し草の袋やら、ペットシーツやら予備のトイレやらが落ちており、中でウサギが不安そうな顔をしている。でも扉を開けてあげると、何事もなかったかのように元気に出てきたので、ほっとする。
ケージの上に落ちてきたものは、いずれも軽いもので、重たいものは別のところにおいてあった。普段から、地震があっても大丈夫なように備えていたのが良かった。
ただ、リビングの棚からプリンタファックスが落っこちていて驚いた。しかもどこも壊れていなかった。たぶん揺れでずり落ちたのだろう。
それ以外は、ほとんど異常がなくて、写真立てが倒れていた程度。テレビも台所も本棚も無事だった。
コートも着たまま、落ち着かない気持ちでテレビをつける。東北地方で強い地震があって、津波警報が出ているということしかわからない。
時々余震がくるので、ドアが開けられなくなるのではと怖くなり、チェーンロックをかけて玄関を少し開けておく。寒い。
こういうときは電話はかけちゃいけないと聞いていたので、とりあえず、ダンナ、パパ、お姉ちゃん、Zさんににショートメールを出す。誰からも返事は来ない。
テレビを見ていても何もわからないので、とりあえずお茶でも飲んで落ち着こうとして、ガスが付かないことに気が付き慌てる。
床暖房もつかない、給湯機もつかない。
まあ、とりあえずカセットコンロを備えてあるからいいか、と考える。電気は問題ないので、電子レンジでお湯を沸かしてお茶を飲む。
それから思いついて、湯船に水をはる。最初にしなければならなかった。マンションだから、電気が止まったら水も使えなくなる。
食料もけっこう備蓄してあるし、水も確保した。ほかに何をすればいいのだろう。落ち着かない気持ちで、食器洗いや洗濯ものの片づけなどをする。
万一避難することになった時に備えて、非常用品リストを見直したりする(普段から用意してあるもの)。
そうこうしているうちに、暗くなってくる。
テレビでは津波の話ばかり。怖いのでNHKにして音量を一番低くしておく。
玄関のドアを開けたり、閉めたり。コートを脱いだり、着たり。
誰からも連絡ないし、と不安がMAXになったところで、ようやくダンナから電話が入る。無事で、会社の人の車に乗せてもらって帰るので、遅くなるとのこと。様子がよくわからないまま短時間で通話は切れたが、とにかく安堵する。
ガスが使えないので、電子レンジでチンしたご飯と納豆、レンジであっためたお湯でインスタント味噌汁のみの夕食。
ウサギは、まったく気にしてなくて、いつも通り、ご飯もりもり、ウ〇チもモリモリり。ウサギのブラッシングをしているうちに私も落ち着いてくる。
夜中近くになって、やっとダンナが帰ってくる。
車に乗せてもらったはいいが、ものすごい大渋滞だったとのこと。疲れ切っている。
とにかく夕飯を食べさせて、ガスの件を話して、早めに寝る。